最近、「NISA貧乏」という言葉をよく見かけます。
NISAのために節約しすぎて生活が苦しい、という状態を揶揄した言葉らしいのですが……正直、私はこの言葉にちょっとした違和感を覚えています。
結論から言うと、「NISA貧乏=悪」と一括りにする考え方には賛成できません。
検索キーワードに
- NISA 積立 きつい
- 投資 生活 苦しい
- 積立 投資 無理
ってよく出てきます。てか苦しいならやるな(笑)
今回は「NISA貧乏」というテーマについて、私が思うことを正直に書いていきます。賛否あると思いますが、よかったら最後まで読んでみてください。
「NISA貧乏」とは何か
「NISA貧乏」とは、NISAなどの投資に熱心になるあまり、日々の生活を切り詰めすぎて精神的・経済的に余裕がなくなった状態のことを指します。
私も以前の記事に自分の節約について書きました。
SNSやメディアでは「投資のために旅行も外食も我慢している」「貯金が投資に回っていて手元に現金がない」といったケースが「NISA貧乏」として取り上げられ、どちらかというとネガティブなニュアンスで語られることが多いです。
「そこまでして投資しなくても…」「今を楽しまないと意味がない」という声も多く、この言葉にはどこか「我慢しすぎる人を憐れむ」空気があります。
確かに「NISA貧乏」と呼ばれる状態の中には問題があるものもあると思っています。
たとえば、SNSで「みんなやってるから」という理由だけで始めた人。毎月の収支も把握しないまま、なんとなく積立額を増やした人。生活防衛資金もないのに全力で投資している人。こういったケースは確かに危なっかしいですし、節約の度を越して健康を害するような食費の極端な切りつめや、電気をつけない、風呂は極力シャワーで。。みたいになるのは、いくら老後の資金を作るためとはいえ、豊かな人生を送るとは言えないと思います。
私も20代の頃は節約もしながら、海外留学の経験もありますし、旅行や仲間との飲み会はよく行ったものです。
浪費はだめですが、「使うときは使う」といった事が出来なければ人生つまらないですし、私自身も色々経験してきたからこそ色んなことができる人間になったと思います。
投資は手段であって、目的ではありません。今の生活が破綻するような投資の仕方は、誰がどう見ても問題です。この点については素直に同意します。
それでも、私が違和感を感じる理由
ただ、「NISA貧乏」という言葉が使われる文脈を見ていると、どうも「将来のために今を我慢すること自体」を批判しているように見えることがあって、そこに強烈な違和感を覚えます。
旅行や外食を控えて積み立てているだけで「かわいそう」「生活が豊かじゃない」と言われてしまう空気、なんか変じゃないですか?
「我慢=悪」という価値観がいつの間にか広まっているような気がして、それがちょっと怖いなと思っています。将来のための努力まで否定されてしまったら、何のために生きているのかよくわからなくなります。
成功する人は例外なく「我慢の期間」を通っている
少し視野を広げて考えてみます。
大谷翔平選手がメジャーで活躍するまでに、どれだけの練習を積んだかは有名な話です。華やかな結果の裏には、人目に触れない圧倒的な努力の期間がある。これは投資の世界も同じだと思います。
伝説的な投資家チャーリー・マンガーも「我慢できることは、本当に大きな優位性だ」と。長期投資で成功している人たちは一様に、成果が出ない時期を淡々と続けた人たちです。
「NISA貧乏」と揶揄されている人の中に、実は10年後・20年後に笑っている人がいても、全然おかしくない。
まあ私は大谷選手みたいなスーパーマンでもチャーリーみたいな優秀な投資家でもなく、ただの一般人で、彼らと状況は全く異なりますが、今の我慢が将来の余裕につながる。その構造は、スポーツでも仕事でも投資でも変わらないと思っています。
投資がキツく感じる本当の理由
投資を始めたばかりの時期が一番しんどい理由は、実は構造的な話があります。
複利の効果は「元本が大きくなるほど威力を発揮する」という特性があります。月5万円を年利5%で運用しても、最初の数年間は増える額がわずかです。元本が100万円なら利息は年5万円。これが1,000万円になると年50万円。同じ5%でも、元本の大きさで体感がまるで違います。
だから最初は「こんなに我慢してるのに全然増えない」と感じやすい。精神的に貧しく感じてしまうのは、ある意味で自然なことなんです。
問題があるのではなく、ただ「まだ序盤にいる」だけ。
本当に大事なのは「順番」
私が(建前上)一番伝えたいことは「NISA貧乏」になる人の多くは、資産形成の順番を間違えています。(本音で言えば、「うるせえな」と思ってます(笑))
資産形成には正しい順番があります。
多くの「NISA貧乏」と呼ばれる状態は、①稼ぐ・②貯める・③守るをすっ飛ばして、いきなり④増やすに手をつけてしまった結果です。
土台がないまま投資をしても、ちょっとした緊急事態で全部崩れます。
問題はNISAではなく、順番です。ここを間違えなければ、「NISA貧乏」になる可能性はぐっと下がります。
「横並びバイアス」に注意
もう一つ気をつけたいのが、「みんなやってるから自分も」という思考パターンです。
SNSを見ていると、「NISA満額積立してます!」「毎月10万円投資してます!」という投稿が目に入ります。それを見て「自分も早くしなければ」と焦る気持ちは、正直わかります。
私もそうでした。
でも、収入も支出も家族構成も違う他人の投資額を、そのまま自分に当てはめる必要はないんです。SNSに出てくる情報は「うまくいってる人の切り取り」であることがほとんど。失敗している人や試行錯誤している人は、あまり発信しません。
「自分はなぜ投資するのか」「いくら積み立てると生活に無理があるか」を自分の頭で考えることが、横並びバイアスへの唯一の対策だと思っています。
結論:問題はNISAではなく「思考停止」
「NISA貧乏」という言葉で批判されているのは、NISAという制度でも、我慢という行為でもなく、本質的には「考えずにやっていること」だと私は思っています。
なぜやるのかを理解していれば、苦しくても続けられる。自分の収支を把握していれば、無理な積立はしない。順番を知っていれば、土台のないまま突っ込まない。
投資が悪いわけでも、我慢が悪いわけでもない。「考えていないこと」が問題の根っこにあります。
将来のために今を我慢することは、決して悪ではありません。むしろ、それは自分の未来に対する投資です。
大切なのは、「なぜそれをやっているのか」を自分で理解していること。周りの声に流されるのではなく、自分の意思で選択することが、結果的に将来の選択肢を広げてくれるはずです。
私もまだまだ道半ばですが、そう信じて続けています。
この記事を読んで下さった方が、共感してくださると幸いです。

